東京ノッズル三崎製作所 尾道工場

統括主任 平田

整備の先に未来がある。

ウッドワード社ガバナ認定整備工場

船舶のディーゼルエンジン燃料噴射装置とガバナのメンテナンスを専門にやっています。私はガバナ部門と諸弁部門、ノズル部門の整備主任です。ガバナとは調速機のこと。エンジンの回転を安定させるための大事な部品で、いうなれば船の心臓部です。東京ノッズルはウッドワード社のガバナにおいて、メーカー認定の整備工場に指定されています。整備するスタッフは必要な期間みっちりとメーカーでトレーニングを受ける必要があるんです。トレーニングでは、まずガバナの作動原理を徹底的に学び、実際に分解して組み立て、テスターで動力テストを行います。それで帰ってきてすぐに整備できるかというと、そうはいきません。現場で経験を積んで初めて一人前の整備士になるんです。

作動原理の正しい理解から始まる整備

ガバナはそれ単体で動いている部品ではなく、エンジンの様々な機関と連動した働きをしています。ガバナは受信機であり、発信機でもある。だから、ガバナを中心としたエンジン周辺の構造を深く理解し、常に情報収集することが大切です。そうでないと、とても整備なんかできません。それくらいデリケートな部品なんですね。ひとたびエンジンに不具合が生じると、真っ先にガバナが疑われます。そこを整備するには、そもそもの作動原理を正しく理解するところから始まるんです。それにはやはり、経験がものを言います。いろいろなトラブルに対応できるスキルを身につけておかなければ、不具合箇所を発見し、解決できません。何年やってもガバナ整備の探求は尽きないですね。

アナログからデジタルへの挑戦

これまではアナログタイプのガバナが主流でしたが、この先はデジタルタイプに移行していくでしょう。そうなれば、これまで目視や手触りといった職人の感覚が通用しなくなる。私たちもデジタル信号を見極める知識が必要になってくるんです。ただ、だからといってITに詳しい人間がやってきて、いきなりガバナの整備ができるかと言ったら、そう簡単なものじゃありません。そこにはやはりガバナの作動原理を熟知した人間ならではの経験やスキルが必要です。私たちだからできる整備方法が必ずあるはず。それを追求していきたいと思っています。近い将来、ガバナがアナログからデジタルに進化するなら、私たちも挑戦しながら進化していく必要があるんです。

TOKYO NOZZLE B-SIDE

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